文様とは調度品、器物、衣服などに描かれた図柄のことをいいます。着物の場合は主に友禅染などによって着物の表地に描かれます。文様には色々な思いや願いがこめられています。その意味などを知ると着物を着たときの思いはいっそう、深くなるでしょう。
鞠には皮を縫い合わせてつくり、足で蹴って遊ぶ蹴鞠(けまり)と芯に綿の糸を巻いて作り、手でついて遊ぶ手鞠(てまり)があります。七五三などの女児の着物や振袖などに描かれるのは手鞠のほうで、蹴鞠にくらべて大きさも小ぶりだったと言われています。平安時代などは幼く嫁ぎに出される事も多く、嫁ぎ先で淋しい思いをしないようにと女中が綺麗な糸を巻いて一生懸命作って幼い花嫁に持たせたといいます。未婚女性の着物に多く文様と使われているのはそんな思いがこめられているのかもしれません。