文様とは調度品、器物、衣服などに描かれた図柄のことをいいます。着物の場合は主に友禅染などによって着物の表地に描かれます。文様には色々な思いや願いがこめられています。その意味などを知ると着物を着たときの思いはいっそう、深くなるでしょう。
雲は雨を呼び大地を潤し、作物豊穣のシンボルとされてきました。また、雲によってもたされた雨が人の足を止めて軒先に客を呼び込む商売繁盛の神と昔から言われています。きのこ類の霊芝の形によく似た形の文様を瑞雲といって、吉祥文様(おめでたい柄のこと)とされてきました。自然の雲の形を曲線で具象化して絵巻物などの時間や場面の切り替わりとして表現されたものを雲取りといいます。着物の文様では雲取りの中に様々な柄を描くことが多く、単独の柄と言うよりも、主に組み合わせて描かれます。