文様とは調度品、器物、衣服などに描かれた図柄のことをいいます。着物の場合は主に友禅染などによって着物の表地に描かれます。文様には色々な思いや願いがこめられています。その意味などを知ると着物を着たときの思いはいっそう、深くなるでしょう。
古来より水を題材した模様が多く見られるのは雨が多く、身近に河川がある日本人ならではの心象風景かもしれません。方丈記の書き出しには「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」とありますが、永遠に続いていく時間という思いとはまた別に、今という時はこの時、この瞬間しかないという時世観が表現されていると思います。流水の文様には描き方で種類があり、曲線の描き方で観世水文や光琳水文などがあります。
光琳水文